2020年
- 繰上徴収制度(地方税法13条の2)
- 2020/12/21
- 自治体からの質問
- 地方自治法が定める繰上徴収制度(13条の2)の趣旨、内容、手続を確認した上で、繰上徴収の要件(実施できる場面)及び対象について協議しました。繰上徴収制度は、民法にある期限の利益喪失制度と比較すると非常に強力(自治体に有利)なものであるため、運用に誤りのないよう、具体的な事案においては、手続的なものを含め要件を充たしているか慎重に検討することが必要であると再確認しました。
- 夏目久樹
- 意思無能力者を名宛人とした行政処分の有効性
- 2020/9/28
- 判例研究 平成18年7月14日最高裁判所第二小法廷
- 原審(名古屋高等裁判所)が、意思無能力者には相続税申告書の提出義務がないとして、意思無能力者には相続税額の決定ができないと判断したのに対し、最高裁判所は、意思無能力者を名宛人として相続税額を決定することができる旨判断した。
上記判断を踏まえて、意思無能力者を名宛人とした税額の決定が有効かどうか、本件判例の射程が行政処分一般に及ぶかどうかにつき、議論を行った。
- 濵尚行
- 公法上の債権の過払いによって生じた不当利得返還請求権の消滅時効期間
- 2020/7/27
- 名古屋高判平成30年5月10日判例 地方自治460号54頁ほか
- 公法上の債権の過払いによって生じた不当利得返還請求権について、これを公債権と解する見解と、私債権と解する見解がある。いずれの見解を取るかで、消滅時効期間(ただし、令和2年4月施行の民法改正により、現在では差異はない。)や援用の要否について差異を生じる。この問題について、消滅時効期間に関して争われた近時の複数の裁判例を題材に検討した。
- 東幸太郎
- 生活保護法78条「不実の申請その他不正な手段により」について
- 2020/6/29
- 判例研究 横浜地裁判決平27.3.11 さいたま地裁判決平27.5.27
- 2つの判決は、生活保護開始後、同居の親族がアルバイト収入を得たのに、被保護者がその事実を申告せず保護受給を継続したことから「不実の申請その他不正な手段により」保護を受けたとしてなされた徴収決定の取り消しを求めた訴訟に関するものであるが、結論を異にするため、その理由を各判決の事案の違いから検討した。
- 八木俊行
- 補助金返還請求権の法的性質と履行期限の延長
- 2020/3/24
- 自治体からの質問
- 補助金返還請求権の法的性質及び時効期間の検討を踏まえて、補助金の返還請求が可能な場合に、①自治体をして補助金返還請求を実施すべきか否か、②返還請求を実施する場合の返還請求手続き、③履行期限を延長する期間の適切な期間、長期の履行期限の延長の当否、④分納の頻度(特に期間を空けた分納の当否)について検討した。
報告者 遠山江美
- 破産財団からの不動産放棄と台帳課税主義
- 2020/2/25
- 自治体からの質問
- 破産管財人が破産財団に属する不動産につき権利の放棄を行ったが,賦課期日時点では当該不動産に破産手続開始登記が残存したままとなっていた場合,登記に基づき破産管財人に対して送付した納税通知書の有効性とその効果につき,台帳課税主義の観点から検討を加えるとともに,破産法上の債権の性質についても議論を行った。
- 金岡宏樹
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